喘息とは
喘息というと小さい子供の病気というイメージがあるかもしれませんが
最近では、大人の喘息患者さんの数は年々増加しており、2017年の調査では成人の10.4%が喘息症状を患っているという結果がでました。
特に最近はタバコが主な原因となる慢性閉塞性肺疾患(COPD)と喘息を合併した患者さんが増えています。
大人の喘息の症状は様々で、典型的な症状がでないことで喘息と診断されずに過ごされている患者さんが多くいると考えられています。
このような場合は、もしかしたら喘息かもしれないと疑って、適切に診断して治療をスタートすることが大切です。
喘息の患者さんは、空気の通り道である気道に炎症が起こり、気道が狭くなり、呼吸が苦しくなる状態を繰り返します。
症状が無い時でも炎症を起こし過敏になっており、何かのきっかけで気道が急に狭くなり発作のように症状が起こります。
喘息の原因とは
日本では、子どもの5~7%、大人の3~5%が喘息にかかっていると言われています。
子どもの喘息は男子に比較的多く、アレルギーが主な原因です。
小学校高学年ぐらいから発作が無くなる時期がありますが、20~30歳代に再発することもあります。
大人の喘息の6~8割が大人になって初めて発症した人たちで、男女比も変わりません。
子どもの喘息に比べ、原因が明確に特定できない場合が多いとされています。
主な喘息の原因はアレルゲンとしては、ダニ・ハウスダスト・花粉・ペットなどがあります。
また、アレルゲン以外の原因としては、たばこ・ストレス・大気汚染などがあります。
喘息の症状とは
喘息は、咳や痰(たん)の症状の他、息苦しさや「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)など、さまざまな症状があります。
最近では咳だけの喘息も増加しています。
また、胸の痛みやのどに感じる違和感なども喘息の症状のひとつです。
治療せずに放置すると、気道の炎症が悪化して、発作の頻度が多くなったり、症状が進行し重症化する場合があります。
喘息の治療法とは
喘息の治療には薬物による治療を行います。
喘息の治療薬は、発作を予防するために使う薬(コントローラー)と発作時に使用する薬(レリーバー)の2種類があります。
発作のときに使う薬(レリーバー)は発作がなくなれば中止してもかまいません。
しかし、発作を予防する薬(コントローラー)は、喘息の根本原因である気道の炎症を治療する薬剤が含まれているので、症状が治まっても止めずに、継続的に使用することが重要です。
目立った症状が出ていなくても気道の炎症は残っている場合があるため、止めてしまうと喘息の重症化につながることがあります。
上手く発作を予防するために使う薬(コントローラー)を継続できるような工夫について医師に相談しましょう。
発作時に使用する薬(レリーバー)の注意点
少し調子が悪いな、と感じた時に発作の時に使う薬(レリーバー)を使うと症状の悪化を未然に防ぐことができます。
発作が重症になってしまうと気道が狭くなって薬が効きにくくなりますのでタイミングが重要です。
なお、発作の時に使う薬(レリーバー)は必要以上に連用すると効果が悪くなる場合があります。
使用回数が増えてきた場合は、医師に相談しましょう。