高血圧

高血圧とは

高血圧とは、血管に過度の圧力がかかっている状態のことを言います。
高血圧が続くと血管に負荷がかかり、脳の血管が破裂して脳出血を起こすリスクが高くなります。

また、どんどん血流を送り出そうとして心臓は次第に大きくなります。これを心肥大と言います。心肥大が進むと、心臓の動きがにぶって、血液を全身に送り出す機能が低下します。

このように、高血圧はさまざまな疾患を引き起こす恐れがあるので、定期的に血圧測定を行うなど、コントロールが重要です。

高血圧の原因とは

高血圧の原因には、塩分の過剰摂取、ストレスがかかる、肥満などがあります。
また、睡眠不足も大きく関連してきます。
今の環境因子が大きく影響を与えて、血圧を上げているということになります。

遺伝的な関係からも影響していると言われていますが、やはり今の生活環境が大きな原因です。
食生活、運動、睡眠、この3つの要因で血圧が上がることになります。
また、加齢によって血圧は上がる傾向にあると言われています。

高血圧の症状とは

高血圧の恐ろしいところは、自覚症状がないまま症状が進行してしまう点です。

血圧は常に変動しているものですが、何らかの原因によって血圧のベースが上がってしまうと、常に収縮期血圧が140mmHg以上、拡張期血圧が90mmHg以上となっていても、すぐに「血圧が高い」と自覚できるような症状は出ません。

血圧は、全身の隅々に血液を送るための役割を担っているため、必要以上の圧量が常にかかっている状態だと、少しずつ、様々な器官や臓器に影響を及ぼします。

高血圧で起こるリスク

高血圧によって引き起こされる病気は多数ありますが、高血圧によって直接影響を受けるのが動脈硬化です。人間の血管は、心臓のポンプ機能によって全身に血液を送れるように、伸縮性があります。

しかし、過度の圧力をかけ続けると、血管の伸縮性が弱まってしまいます。
そして、血管そのものが厚くなり硬化してしまいます。これが動脈硬化です。

動脈硬化が起こると、血液を送り出す力が弱まってしまうため、多くの血液を必要とする器官へのリスクが高まります。

高血圧で影響を受けやすい臓器は

高血圧は全身の様々な器官や臓器に影響を及ぼしますが、その中でも特に影響を受けやすいのが心臓、脳、腎臓です。

心臓

高血圧があると、心臓は強い圧力をかけて継続して血液を送り出さなくてはならず、筋肉が厚くなって心肥大を起こします。

さらに高血圧が続くと、徐々に心臓は疲弊します。その結果、心臓のポンプ機能が低下し、心不全を起こすようになります。このように、高血圧が原因で心臓に障害の起きた状態を高血圧性心疾患といいます。

初期症状は、運動をした時の動悸や息切れを感じる状態に似ており、足のむくみなども見られます。

病気が進行する安静時でもヒューヒューと呼吸がなったり、咳、痰、呼吸困難などの心臓ぜんそくといわれる発作を起こすようになります。

治療法は、まず高血圧を治すことが重要となります。
内服薬とともに禁酒、禁煙、暴飲暴食を避ける、塩分制限するなどの日ごろの注意が必要です。

高血圧が持続すると、脳内の血管が閉塞したり、血管の一部に狭窄が起こり、脳梗塞を引き起こすリスクが上昇します。
また、血管の一部が破けてしまう脳出血のリスクも高まります。

脳梗塞や脳出血は、体の麻痺や感覚障害、言語障害など発症した部位により、様々な症状を引き起こすため、その後の生活に大きな影響を及ぼす恐れがあります。

腎臓

腎臓のはたらきが悪くなると余分な塩分と水分の排泄ができなくなり、血液量が増加し、血圧が上がります。
更に、血圧が上がれば腎臓への負担が増え、ますます腎臓の機能が低下し、悪循環に陥ります。
そのため、腎臓のはたらきを守るためにも血圧をコントロールすることはとても大切です。

また、腎不全は症状が悪化すると、機械の力によって血液をろ過する人工透析を受けなければいけなくなります。

高血圧の治療法とは

高血圧の治療は大きく分けて二つです。
一つは、生活習慣の改善。もう一つはお薬による治療となります。

生活習慣について改善項目が3つあります。これらは、血圧のためだけでなく、糖尿病や心臓病、脳梗塞など全ての生活習慣病に通じる問題点なので、注意していきましょう。

生活習慣の改善

1.アルコールを控える

アルコール量が増えると脳卒中が増えるということがわかっています。
一回の飲酒は短時間で見ると血圧を下げますが、多量飲酒は血圧を上げるため、かえって血管病を増やしてしまうようです。

また、飲酒が多いと食事療法が疎かになって体重コントロールができず、血圧を上げてしまうことも多くあります。
適切なアルコール量は日本酒で1合、ビールでは500cc以下ですので摂取量を守りましょう。

2.ストレスを避ける

ストレスというと、いわゆる精神的なものを想像される方が多いと思いますが、精神的ストレスは血圧との関連ははっきりとは証明されていません。
ただし、ストレスは様々な病気を引き起こす要因のひとつと言われているため、なるべく避けるべきでしょう。

また、寒冷は血圧を上げると言われており、特に高血圧の患者様において冬の温度の変化は危険と言われています。
温度差のある、トイレや浴室の寒さには注意が必要です。

3.適度に運動をする

一般的に運動する人よりしない人の方が血圧は高いです。

運動療法には血圧を下げる効果があることがわかっています。
運動の種類としては静的な運動と言われる筋肉トレーニングは良くなく、動的運動である歩行やランニング、水泳などが良いとされています。

また、運動は軽めの方がよく、強い運動は静的運動と同じことですが、急な血圧の上昇により、事故が起こりやすいと言われています。
こうした運動は一時的なものではなく、継続する事が大事であり、できれば毎日続けることが重要です。

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